マイナンバーカード・本人確認書類のマスキング箇所|OCRで自動化する方法

口座開設や契約、会員登録などでは、マイナンバーカードをはじめとする本人確認書類の提出を求められることがあります。その際、本人確認に必要のない個人情報まで取得・保存しないよう、書類の種類や利用目的に応じた対応が必要です。

結論

不要な情報は取得せず、大量処理ではOCR・AIによる自動化を検討する

  • マイナンバーカードの裏面は、法令上必要な場合を除いて取得しない
  • マスキング箇所は、書類の種類と利用目的に応じて判断する
  • 企業が大量の書類を扱う場合は、OCR・AIによる自動マスキングを検討する
  • マスキングだけでなく、必要情報のデータ化とシステム連携まで設計する

本記事では、マイナンバーカードや本人確認書類で注意したいマスキング箇所、提出時の処理方法、企業が受領した書類をOCR・AIで自動マスキングする方法まで解説します。

この記事でわかること

  • マイナンバーカードで取得すべきでない情報
  • 本人確認書類ごとに注意したいマスキング箇所
  • オンライン・郵送で書類を提出するときの処理方法
  • 企業がマスキングをOCR・AIで自動化する仕組み
  • ProTech AI-OCRで対応できる業務範囲
この記事の執筆・解説

株式会社ショーケース ProTech事業部 マーケティンググループ
小谷野 宏海(こやの ひろみ)

株式会社ショーケース - 本人確認(eKYC)・IC認証・JPKI領域のマーケティング担当|金融・通信・不動産業界向け本人確認の最新動向を発信

マイナンバーカードを本人確認書類として使うときの基本

マイナンバーカードは、氏名、住所、生年月日、性別、顔写真などが記載された顔写真付きの本人確認書類です。ICチップには電子証明書も搭載されており、公的個人認証サービス(JPKI)を利用したオンライン本人確認にも活用されています。

画像やコピーによって本人確認を行う場合、一般的には氏名、住所、生年月日、顔写真、有効期限などが記載された表面を使用します。一方、裏面には12桁の個人番号が記載されています。

本人確認だけなら裏面を取得しない

個人番号は、番号法によって利用できる目的が限定されています。法令で認められた場合を除き、本人確認を目的としてマイナンバーカードの裏面をコピー・撮影し、個人番号を収集することはできません。

一般的な本人確認では、裏面を受領してから個人番号をマスキングするのではなく、最初から裏面を取得しない運用にすることが重要です。

提出を受ける企業は、アップロード画面や案内メールに「表面のみを提出してください」などと明記し、不要な情報が送信されないようにしましょう。

マイナンバーカードで確認したいマスキング箇所

マイナンバーカードのマスキング箇所は、カードの表裏と利用目的によって考え方が異なります。提出先から指定がある場合は、その案内を優先してください。

マイナンバーカードの取り扱い

箇所 取り扱いの考え方 注意点
表面の氏名・住所・生年月日・顔写真 本人確認に必要な範囲で使用 隠すと本人確認ができない場合がある
性別 提出先の利用目的と案内を確認 自己判断で隠すと不備になる場合がある
臓器提供意思表示欄 本人確認に不要なため、見えない状態にする カードケースや紙などで確実に隠す
裏面の個人番号 法令上必要な場合を除いて取得しない 通常の本人確認では裏面を提出しない
裏面のQRコード 裏面とともに取得しないことを基本とする 個人番号に関係する情報として慎重に扱う

本人確認に必要な項目までマスキングすると、書類不備として再提出が必要になる可能性があります。利用者が判断に迷わないよう、企業側が提出面とマスキング箇所を具体的に案内することが大切です。

本人確認書類ごとに異なるマスキング対象

注意が必要な情報は、マイナンバーカード以外の本人確認書類にもあります。代表例は以下のとおりです。

本人確認書類別の注意点

本人確認書類 注意したい情報の例 確認事項
運転免許証 臓器提供意思表示欄、利用目的に不要な条件欄 本人確認に必要な記載まで隠さない
資格確認書など 保険者番号、記号・番号、枝番など 提出先が指定するマスキング範囲を確認する
住民票 個人番号、本籍、世帯情報など 必要項目が記載された証明書を取得する
年金関係書類 基礎年金番号 利用目的に必要かを確認する
各種手帳・証明書 障害名、等級、医療情報など 本人確認に不要な機微情報を取得しない

同じ書類でも、手続きの内容によって必要な情報は変わります。書類名だけで一律に判断せず、利用目的と提出先の案内を確認しましょう。

本人確認書類を提出するときのマスキング方法

撮影前に紙やカードケースで隠す

オンラインで提出する場合は、撮影前に不要な箇所を不透明な紙などで隠す方法があります。文字が透けていたり、紙が浮いて隙間から読めたりしないように固定します。

ただし、撮影時に書類の一部を覆うことを認めていないサービスもあります。提出画面に指定がある場合は、その方法に従う必要があります。

撮影後の画像を塗りつぶす

スマートフォンやパソコンの画像編集機能を使用し、不要な箇所を塗りつぶす方法です。半透明のペンやモザイクでは、拡大や画像処理によって元の情報を読み取られる可能性があります。

  • 完全に不透明な長方形で対象範囲を覆う
  • 周囲に文字が残っていないか拡大して確認する
  • 編集前の画像が不要であれば適切に削除する
  • 提出先が画像加工を認めているか確認する

コピーを郵送する場合

郵送では、コピーを取った後に不透明なマーカーや修正テープで塗りつぶす方法と、原本の対象部分を紙で隠してからコピーする方法があります。

どの方法でも、マスキングした情報を復元できない状態になっているか確認することが重要です。

企業が本人確認書類を受領するときの課題

企業側が提出方法を案内していても、マスキングされていない画像や、本来取得すべきでない面が送信されることがあります。件数が多い業務では、担当者が一件ずつ画像を加工する運用にも限界があります。

企業が本人確認書類を受領するときの課題

再提出が顧客と担当者の負担になる

マスキング不備のたびに再提出を依頼すると、利用者は撮影・加工・送信をやり直さなければなりません。企業側にも、差し戻しの連絡や再確認が発生し、手続き完了までの時間が延びます。

書類によってマスキング箇所が異なる

本人確認書類にはさまざまな種類があり、記載項目やレイアウトも異なります。書類ごとの判断を担当者に委ねると、処理漏れや必要な情報まで隠してしまう誤マスキングにつながります。

マスキング前の画像管理が必要になる

企業側で処理する場合、マスキング前の画像にアクセスできる担当者、保存場所、保存期間、処理後の削除方法などを定める必要があります。

大量の本人確認書類を扱う場合は、受付からマスキング、確認、保存・削除までを一つの業務フローとして設計する必要があります。

本人確認書類のマスキングを手作業で行っていませんか? 書類の読み取りからマスキング、データ連携までお気軽にご相談ください。

AI-OCR・自動マスキングについて相談する

本人確認書類のマスキングをOCR・AIで自動化する方法

OCRは、画像やPDFに含まれる文字を読み取り、データ化する技術です。本人確認書類のマスキングでは、OCRによる文字認識に加え、AIや画像解析を組み合わせて書類の種類と対象項目を判別し、画像上の位置を特定します。

一般的な処理の流れは以下のとおりです。

OCR・AIで本人確認書類を判別し、対象箇所の特定・自動マスキング・システム連携を行う流れ

OCR・AIによる自動マスキングの流れ

  1. 画像またはPDFを受け取る
  2. 本人確認書類の種類を判別する
  3. 氏名・住所・番号などの項目をOCRで読み取る
  4. マスキング対象となる項目の座標を特定する
  5. 対象範囲を復元できない状態に塗りつぶす
  6. 必要なデータとマスキング済み画像を後続システムへ連携する

OCRだけでなく、書類判別、座標特定、マスキング後の確認まで含めて設計することが重要です。

OCR・AIによる自動マスキングが向いている業務

  • 本人確認書類を大量に受領している
  • 複数種類の書類が混在している
  • 再提出や差し戻しを減らしたい
  • 手作業による処理漏れを減らしたい
  • 必要な情報だけをデータ化したい
  • マスキング済み画像や読取結果を管理システムへ連携したい

ProTech AI-OCRで読み取りからマスキング・データ連携まで対応

本人確認書類の読み取り、不要な情報のマスキング、既存システムへのデータ連携までご相談いただけます。

ショーケースの「ProTech AI-OCR」は、定型・非定型を問わず、さまざまな書類や画像から必要な項目を読み取り、業務で利用できるデータとして返却するAI-OCRです。

本人確認書類を扱う業務では、書類の種類や必要な項目を判別し、設定した対象箇所の座標を特定してマスキングする運用にも対応できます。

必要な情報を読み取り、不要な情報を隠す

氏名、住所、生年月日など、後続業務に必要な情報を読み取りながら、利用目的に不要な番号や機微情報をマスキングできます。

必要な情報のデータ化と、不要な情報の保護を同じ処理の中で進められます。

マスキング済み画像と読取結果を連携する

マスキング済みの画像を作成するだけでなく、読み取った情報をJSONなどで返却し、既存の管理システムや受付システムへ連携できます。書類の確認後に担当者が情報を再入力する作業の削減にもつながります。

実際の書類で処理方法を検証する

読み取りやマスキングの精度は、書類の種類、画像品質、対象項目、レイアウトなどによって変わります。導入前には、実際に業務で受領する書類を使って確認することが大切です。

ProTech AI-OCRの無料トライアルをご希望の場合は、対象書類や処理件数、必要な項目を添えてお問い合わせください。

無料トライアル・お問い合わせはこちら

マイナンバーカード・本人確認書類のマスキングに関するよくある質問

マイナンバーカードの裏面はマスキングすれば提出できますか?

一般的な本人確認では、法令上認められた場合を除き、個人番号が記載された裏面を取得しないことが基本です。提出先から表面のみを求められている場合は、裏面を提出しないでください。

マイナンバーカードの性別は必ずマスキングしますか?

一律ではありません。本人確認の要件や提出先の案内によって扱いが異なります。自己判断で隠すと確認不備になる可能性があるため、提出先の指定を確認してください。

モザイク加工でもマスキングできますか?

モザイクや半透明の塗りつぶしでは、元の情報を推測・復元される可能性があります。復元できない不透明な処理を行い、拡大しても文字が読めないことを確認してください。

本人確認書類のマスキングはOCRで自動化できますか?

可能です。OCRで文字を読み取り、AIや画像解析によって書類種別と対象項目を判別し、画像上の座標を特定してマスキングします。対象書類や画像品質によって条件が異なるため、実際の書類での検証が必要です。

マスキングとデータ化を同時に行えますか?

対応するAI-OCRを利用すれば、必要項目の読み取りと不要項目のマスキングを同じ処理フローで実施できます。読取結果やマスキング済み画像を管理システムへ連携することも可能です。

まとめ|書類ごとの判断とOCRによる自動化を組み合わせる

マイナンバーカードや本人確認書類を扱うときは、本人確認に必要な情報と、取得すべきでない情報を区別する必要があります。

この記事のまとめ

書類ごとの判断とOCR・AIによる自動化を組み合わせる

  • マイナンバーカードの裏面は、法令上必要な場合を除いて取得しない
  • マスキング箇所は書類と利用目的によって異なる
  • 提出者には対象面と処理方法を具体的に案内する
  • 大量処理では、OCR・AIによる書類判別と自動マスキングを検討する
  • マスキングだけでなく、必要情報のデータ化とシステム連携まで設計する

対象書類や現在の処理フローに合わせて、無料トライアルを含む導入方法をご案内します。

ProTech AI-OCRについて相談する