多店舗展開の盲点!対面認証・eKYC比較で気づく「対面KYCの壁」

こんにちは!株式会社ショーケース ProTech事業部の岸(きし)です。普段はインサイドセールス(IS)やマーケティングの担当として、日々多くのお客様から本人確認(eKYC)やIC認証のご相談をいただいています。

2027年4月の犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正に伴い、マイナンバーカードのICチップ読み取りが原則義務化される潮流となっていますよね。これに向けて特定事業者様のあいだでは、「非対面のeKYC」だけでなく「店頭での対面KYC」の双方でIC認証化の検討が本格化しています。

実は先日、全国に複数の店舗を展開されている大手不動産会社様から、まさにこの「多店舗運用における対面KYC」についてのご相談をお受けしました。その際にある機能をご紹介したところ、担当者様から「まさにその課題で悩んでいた!それなら社内のセキュリティ審査も通せる!」と、非常に良い手応えをいただくことができたんです。

年内の施策決定に向けて、実務担当者様が情報収集や他社比較を進める中、「どのベンダーも機能が似ていて決め手に欠けるなぁ…」と感じることも多いのではないでしょうか。

携帯ショップや地方銀行、古物買取店、そして私が先日お話しした不動産窓口など、複数の店舗を持つ事業者様は特に注意が必要です。他社サービスを比較する際、機能の有無だけで選ぶのは実はちょっと危険で、運用開始後に現場で思わぬ課題に直面するケースが少なくありません。

今回はその不動産会社様とのやり取りをベースに、多店舗運営だからこそ気にするべき「対面KYCの運用管理の壁」について、実務メンバーの視点から分かりやすくお伝えします。

この記事の執筆・解説

株式会社ショーケース ProTech事業部 カスタマーリレーショングループ
岸 大貴(きし たいき)

株式会社ショーケースにおいて、本人確認(eKYC)・IC認証・JPKI領域のインサイドセールスとマーケティングを担当。
これまで4000人近くの本人確認領域のご相談をお受けし、それぞれの現場の運用に沿った丁寧なサポートを心がけている。

機能はどこも同じ?多店舗運営企業が直面する「対面KYCの壁」

業界大手とされる重厚なeKYCシステムなどは、高い認証精度を強みとしています。大手金融機関での豊富な実績も特徴ですよね。しかし、これらのシステムには共通の前提があります。それは「全社の本人確認データを、1つの中央審査センターで一括管理する」という組織体制に合わせて設計されているケースが少なくない、ということです。

全国に複数の支店や店舗窓口を展開する事業者様の場合、この「中央一括管理」の思想が、実際の店舗オペレーションと乖離してしまうという課題に直面することが、実は少なくありません。

実務を統括される現場の検討メンバーの皆様であれば、すでに具体的な運用のイメージを膨らませていらっしゃることと存じます。
しかし、これこそがカタログスペックの横並び比較ではなかなか見えてこない、いわゆる「対面KYCの壁」となります。

⚠️ 個人情報管理における現場運用の懸念

毎日多くのお客様が来店する多店舗運用の現場では、全店舗で1つの管理画面を単純に共有してしまうと、実運用上で深刻なボトルネックが発生しやすくなります。

具体的には、図解のように以下2つの大きなリスクに直面することになります。

個人情報管理における現場運用の懸念

● 全店舗の顧客データが混在するリスク

自店とは関係のない他店舗の機微データまで現場スタッフが閲覧できてしまい、ガバナンス面で大きな不安が残ります。これって、セキュリティ的にちょっと怖いですよね。

● 社内セキュリティ審査での指摘(最大の壁)

情報セキュリティ部門から「現場の誰もが全社のデータにアクセスできる状態はリスクが高すぎる」と指摘され、導入直前で施策が停滞してしまうケースが非常に多いです。

現場の皆さんが「このシステムが良い!」と思っても、ここで引っかかってしまうのはもったいないですよね。

対面KYCやWebでのeKYCを検討する際、単に機能の有無だけで比較するのは不十分です。「自社の多店舗構造に合わせた、セキュアな境界線をシステム内で柔軟に引けるか」という視点が、実務上、極めて重要なチェックポイントとなります。

Web(eKYC)と対面KYCの運用フローをシームレスに統合

もう一つ、多店舗運営企業の施策検討メンバー様を悩ませがちなポイントがあります。「Webでの非対面eKYC」と「店舗での対面KYC」の運用フローに大きな差をつけず、システムを統合できるかという点です。例えば、「非対面のWeb受付用はA社」「店舗でのIC読み取り用はB社」といったように、別々のベンダーのシステムをバラバラに導入したとします。その場合、現場のオペレーションには以下のような負担(しわ寄せ)が生じてしまいます。

教育コストの倍増:店舗スタッフは複数のシステムの操作方法や、エラーが起きた際の対処法を別々に覚える必要があり、現場の負担が増大します。スタッフの入れ替えが多い現場だと、教えるだけでも一苦労ですよね。

目視確認・突合の煩雑化:管理画面が複数に分かれることで、データを確認する本社や店舗の責任者が、それぞれの画面を行き来して確認しなければならず、業務効率が低下してしまいます。これでは本末転倒ですよね。

こうした課題に対し、弊社の『ProTech ID Checker』であれば、すべての本人確認データが全く同じ仕様の「審査用コンソール画面」に一元化されます。お客様が自宅からスマートフォン上で完結させるeKYCデータも、店舗に設置した専用タブレットやカードリーダーを用いた対面KYCデータも、すべて同じ場所で管理できます。

  • 共通の自動突合ロジック:Web申込でも対面KYCでも、AIによる「氏名・生年月日・住所」の自動突合結果や自動認証機能が全く同じルールで働きます。これなら審査の基準もブレません。
  • 現場オペレーションの統一:現場のスタッフには「Webからの事前申込データの審査も、店舗での対面KYCも、この管理画面の同じボタンを押すだけでいいよ」と伝えるだけで済みます。現場への教育コストや導入後の混乱を最小限に抑え、スムーズな運用を立ち上げることが可能です。これなら現場のスタッフさんも安心ですよね。

「店舗ごとのセキュアな壁」を作る、PICの柔軟なアカウント権限管理

多店舗運用におけるセキュリティ要件や、社内決裁のハードルをクリアするために、ProTech ID Checker(PIC)の仕組みは大きなメリットをもたらしてくれます。

冒頭でご紹介した不動産会社様からも、「他社との明確な違いとして、社内のセキュリティ部門に一番説明がしやすそう!」と、とても関心を持っていただけた部分があるんです。それが、標準装備されている柔軟な「アカウント権限管理・アクセス制限機能」です。

PICの管理画面では、組織の体制に合わせてメンバーごとに権限を切り分けることができます。具体的には「アドミン(管理者)」「リーダー(現場責任者)」「確認者(現場スタッフ)」の3つに分類可能です。これに加え、最大の特長である「アクセス制限機能」を活用できます。

【多店舗運用におけるアカウント権限のイメージ】
多店舗運営における店頭KYCの壁

イメージ画像に示されているように、企業の組織体制に合わせた柔軟なアクセス境界線を簡単に設定できます。
この現場の実務に寄り添った設計があるからこそ、現場担当者様が社内で提案を前に進めるための強力な後ろ盾となります。

まとめ:多店舗の対面KYCは「現場の運用」と「権限管理」の両立が不可欠

2027年4月の法改正に向けて対面KYCの準備を進めるには、単なる機能の有無を比べるだけでなく、「自社の多店舗運用に耐えられるか」という実務目線でのチェックが欠かせません。現場のスタッフが迷わず使えて、社内のセキュリティ要件もクリアできる、そんな最適な運用フローを早めに見つけることが成功の近道です。

とはいえ、カタログやWebサイトを眺めているだけでは、自社の体制に合った具体的なイメージはなかなか湧きにくいものですよね。そこでショーケースでは、資料を読むだけでは分かりづらい実務の疑問や最初のモヤモヤを、サクッと気軽にお話しいただけるオンライン窓口をご用意しています。

📋 【まずはサクッと疑問を解消】15分シンプル課題相談会

「法改正がよく分からない」「社内に相談相手がいない」など、実務の初歩的なお悩みを気軽にお聞きする会です。

込み入った営業提案は一切ありませんのでまずは現状の不安を吐き出すだけの場として、画面の向こうでお話しできることを楽しみにしています!