eKYCの本人確認方式を比較|ホ方式・カ方式・へ方式の違いと選び方を解説

eKYCには、本人確認書類の撮影を行う方式、マイナンバーカードのICチップを活用する方式、銀行口座情報を利用する方式など、複数の本人確認方式があります。
代表的な方式として、ホ方式・カ方式・へ方式がありますが、それぞれ本人確認の方法、利用できる場面、ユーザー負担、将来性が異なります。
本記事では、eKYCで利用される本人確認方式を比較し、ホ方式・カ方式・へ方式の違いや、自社に合った方式を選ぶ際のポイントを解説します。
現在の主流は「へ方式」と「カ方式(JPKI)」
- ホ方式は2027年4月の犯収法改正で廃止予定
- へ方式はスマホ完結型の本人確認方式として広く利用されている
- カ方式(JPKI)はICチップを活用した高信頼な本人確認が可能
- 今後はIC認証を活用した本人確認の重要性が高まる
- 新規導入や見直しでは、へ方式とカ方式を中心に検討するのがおすすめ
eKYCの本人確認方式比較表
まずは、代表的なeKYC方式であるホ方式・カ方式・へ方式の違いを比較します。
ホ方式・カ方式・へ方式の比較
| 項目 | ホ方式 | カ方式 | へ方式 |
|---|---|---|---|
| 本人確認方法 | 本人確認書類の撮影+本人の容貌撮影 | マイナンバーカードのICチップ読取・JPKI | 銀行口座情報を利用した本人確認 |
| 本人確認精度 | ○ | ◎ | ◎ |
| 偽造書類対策 | △ | ◎ | ◎ |
| オンライン完結 | ○ | ○ | ○ |
| ユーザー負担 | 比較的少ない | 暗証番号入力やIC読取が必要 | 銀行口座情報の入力・照会が必要 |
| 主な利用シーン | 汎用的なオンライン本人確認 | 金融・通信・行政手続きなど | 金融サービス・口座連携があるサービス |
| 将来性 | △ | ◎ | ◎ |
この記事でわかること
- eKYCで利用される本人確認方式の種類
- ホ方式・カ方式・へ方式の違い
- 各方式のメリットと注意点
- 利用シーン別に適した本人確認方式
- eKYCサービス選定時に確認すべきポイント
eKYCの本人確認方式とは
eKYCとは、オンライン上で本人確認を完結させる仕組みです。従来は店舗や窓口で本人確認書類を提示して本人確認を行うことが一般的でしたが、現在はスマートフォンやPCを使って非対面で本人確認を実施できるようになっています。
ただし、eKYCと一口にいっても、本人確認の方式は一つではありません。本人確認書類の撮影を行う方式、ICチップを読み取る方式、銀行口座情報を活用する方式など、複数の方式があります。
方式が複数存在する理由
本人確認に求められる水準は、業界や取引内容によって異なります。たとえば、金融機関の口座開設では高い本人確認精度が求められます。一方、比較的リスクの低い会員登録では、ユーザー負担の少なさが重視されることもあります。
そのため、eKYCサービスを選ぶ際は「どの方式に対応しているか」だけでなく、「自社の業務や法令要件に適した方式か」を確認することが重要です。
どのeKYC方式を選ぶべき?
eKYCの本人確認方式には複数の種類がありますが、どの方式が最適かは事業内容や求める本人確認レベルによって異なります。
現在は「へ方式」と「カ方式(JPKI)」が主流となっており、ホ方式は2027年4月の犯収法改正により廃止予定です。
そのため、新規導入やリプレイスを検討する場合は、へ方式またはカ方式を中心に選定することをおすすめします。
以下は、事業内容や求める本人確認レベルに応じたeKYC方式の選び方を簡単にまとめたものです。

ホ方式とは
ホ方式とは、本人確認書類の撮影画像と本人の容貌画像を組み合わせて本人確認を行う方式です。スマートフォンで本人確認書類を撮影し、あわせて本人の顔写真を撮影することで、申込者と本人確認書類の顔写真を照合します。
ホ方式のメリット
ホ方式のメリットは、スマートフォンだけで本人確認を完結しやすい点です。利用者は本人確認書類を撮影し、自身の顔写真を撮影するだけで手続きを進められます。
導入実績も多く、オンライン本人確認の初期導入方式として利用されてきました。ユーザーにとっても比較的理解しやすい本人確認方法です。
ホ方式の注意点
一方で、ホ方式は本人確認書類の券面画像を利用するため、偽造書類や画像加工への対策が課題になります。本人確認書類そのものの真正性を、ICチップ情報で確認する方式と比べると、本人確認精度の面で注意が必要です。
今後の法改正や本人確認厳格化を見据える場合、ホ方式だけに依存した運用ではなく、ICチップや公的個人認証を活用する方式への対応も検討する必要があります。
カ方式とは
カ方式とは、マイナンバーカードのICチップを読み取り、公的個人認証サービスであるJPKIを活用して本人確認を行う方式です。本人確認書類の券面画像だけでなく、ICチップ内の電子証明書を利用する点が特徴です。
カ方式は、JPKIを活用した本人確認方式と捉えると理解しやすくなります。マイナンバーカードを利用するため、本人確認の信頼性が高い方式です。
カ方式のメリット
カ方式のメリットは、マイナンバーカードのICチップと電子証明書を活用できる点です。本人確認書類の画像だけに依存しないため、偽造書類やなりすましへの対策として有効です。
金融機関や通信事業者など、高い本人確認精度が求められる業界と相性が良い方式です。
カ方式の注意点
カ方式を利用するには、利用者がマイナンバーカードを保有している必要があります。また、ICチップの読み取りや暗証番号の入力が必要になるため、利用者への案内やUI設計が重要です。
暗証番号忘れや読み取りエラーが発生すると、手続きの途中離脱につながる可能性があるため、サポート導線も含めて設計する必要があります。
へ方式とは
へ方式とは、銀行口座情報を活用して本人確認を行う方式です。利用者が保有する銀行口座情報と申込情報を照会することで、本人確認を行います。
本人確認書類の撮影やICチップ読取とは異なり、金融機関の口座情報を活用する点が特徴です。
へ方式のメリット
へ方式のメリットは、本人確認書類の撮影やマイナンバーカードのICチップ読み取りを行わずに本人確認を進められる点です。すでに銀行口座を保有している利用者にとっては、比較的スムーズに手続きを進められる場合があります。
金融サービスや決済サービスなど、銀行口座と連携するサービスでは活用しやすい方式です。
へ方式の注意点
へ方式は、利用者が対象となる銀行口座を保有していることが前提になります。また、銀行照会の仕組みや連携先によって、利用できる範囲が異なる場合があります。
すべての利用者に適用できる方式ではないため、他の本人確認方式と組み合わせて運用することが重要です。
利用シーン別に適したeKYC方式
eKYC方式は、利用シーンによって適した選択肢が異なります。本人確認精度、ユーザー負担、法令対応、既存システムとの連携などを踏まえて選定する必要があります。

金融機関
金融機関では、口座開設や取引開始時に高い本人確認精度が求められます。そのため、カ方式やへ方式との相性が高いといえます。
マイナンバーカードを活用したカ方式は高信頼な本人確認に適しており、銀行口座情報を活用するへ方式は金融サービスとの親和性があります。
通信事業者
通信事業者では、不正契約やなりすまし対策が重要です。本人確認の厳格化が進む中で、マイナンバーカードのICチップを活用するカ方式が有力な選択肢になります。
オンライン契約だけでなく、店舗や販売代理店での対面本人確認も含めて、本人確認体制を整備することが重要です。
不動産
不動産業界では、賃貸契約や売買契約において本人確認が重要です。近年はオンラインでの重要事項説明や契約手続きも普及しており、非対面で信頼性の高い本人確認を行う仕組みが求められています。
本人確認の厳格化やなりすまし対策を考慮すると、ICチップを活用したカ方式(JPKI)やへ方式が有力な選択肢です。対面契約とオンライン契約の両方に対応できる本人確認体制を整備することが重要です。
リユース
リユース業界では、古物営業法に基づく本人確認が必要です。宅配買取やオンライン買取の利用が増える中、不正転売やなりすましによる不正利用への対策が求められています。
高額商品の買取や継続的な取引を行う事業者では、ICチップを活用した本人確認方式の導入も有効です。へ方式による利便性と、カ方式(JPKI)による高い信頼性を組み合わせることで、安全な取引環境の構築につながります。
士業・専門サービス
士業や専門サービスでは、本人確認業務を効率化しながら、法令や業務ルールに沿った本人確認を行う必要があります。オンラインで本人確認を完結したい場合は、カ方式やJPKIを活用した本人確認が選択肢になります。
eKYCサービス選びで確認したいポイント
eKYCサービスを選定する際は、対応方式だけでなく、今後の運用や法改正対応も見据えて比較することが重要です。
複数方式に対応しているか
ホ方式・カ方式・へ方式のうち、どの方式に対応しているかを確認しましょう。利用者や業務内容によって最適な方式は異なるため、複数方式に対応できるサービスの方が運用しやすくなります。
IC認証やJPKIに対応しているか
カ方式では、マイナンバーカードのICチップやJPKIを活用します。本人確認精度や偽造対策を重視する場合、IC認証やJPKIへの対応状況は重要な確認ポイントです。
対面・非対面の両方に対応できるか
本人確認はオンラインだけでなく、店舗や窓口で実施される場合もあります。対面本人確認と非対面本人確認を別々に管理すると、運用が複雑になりやすくなります。
対面・非対面の両方に対応できるeKYCサービスを選ぶことで、本人確認結果や審査状況を一元管理しやすくなります。
管理画面や審査業務に対応しているか
eKYCは利用者側の本人確認フローだけでなく、事業者側の審査業務も重要です。本人確認結果、審査ステータス、差し戻し状況を管理できるかを確認しましょう。
eKYCサービス選定時の確認ポイント
- ホ方式・カ方式・へ方式など複数方式に対応しているか
- IC認証やJPKIに対応しているか
- 対面・非対面の本人確認を一元管理できるか
- 審査業務や差し戻し対応を効率化できるか
- 今後の法改正や本人確認厳格化に対応できるか
ProTech ID Checkerなら複数の本人確認方式に対応
ProTech ID Checkerは、eKYC、IC認証、JPKI、対面本人確認に対応した本人確認サービスです。本人確認方式を一つに限定せず、業務内容や利用者に合わせた本人確認フローを設計できます。
オンライン本人確認だけでなく、店舗や窓口での対面本人確認にも対応できるため、対面・非対面を問わず本人確認業務を一元管理しやすくなります。
ProTech ID Checkerでできること
- 複数の本人確認方式に対応
- IC認証・JPKIを活用した本人確認に対応
- 対面・非対面の本人確認を一元管理
- 審査業務や本人確認記録の管理を効率化
- 法改正を見据えた本人確認体制の構築
よくある質問
eKYCのホ方式とは何ですか?
eKYCのへ方式とは何ですか?
eKYCのカ方式(JPKI)とは何ですか?
ホ方式・へ方式・カ方式の違いは何ですか?
ホ方式はいつ廃止されますか?
eKYCでおすすめの本人確認方式はどれですか?
IC認証とカ方式は同じですか?
eKYCサービスを選ぶ際のポイントは何ですか?
まとめ
eKYCには、ホ方式・カ方式・へ方式など複数の本人確認方式があります。それぞれ本人確認方法や利用シーン、ユーザー負担、将来性が異なるため、自社の業務に合った方式を選ぶことが重要です。
ホ方式はスマートフォンで本人確認を完結しやすい一方、今後の本人確認厳格化を見据えると、カ方式やへ方式への対応も重要になります。
eKYC方式比較のポイント
- ホ方式は2027年4月に廃止予定
- へ方式は現在最も利用されている本人確認方式の一つ
- カ方式(JPKI)はICチップを活用した高信頼な本人確認方式
- 法改正を見据えるとIC認証対応の重要性が高まる
- 事業内容や本人確認レベルに応じた方式選定が重要
今後の法改正やIC認証の普及を見据えると、単一方式だけでなく複数方式に対応できる本人確認基盤を選ぶことも重要です。
eKYC方式を選定する際は、現在の業務だけでなく、今後の法改正や本人確認厳格化も見据えて検討する必要があります。ProTech ID Checkerなら、複数の本人確認方式に対応し、対面・非対面の本人確認を一元管理できます。
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